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福岡はトップクラスのノリ生産地

有明海に果てしなく拡がる広大な『福岡有明のり』の養殖場。筑後川や矢部川など、多くの川から流れ出る栄養に恵まれ、さらに『干出』という独特の方法で養殖した『福岡有明のり』は、口溶けが良く風味豊か。とても質の良いノリができあがる。

大川市・柳川市・みやま市・大牟田市の沖に広がる福岡県のノリ養殖場

 

福岡県は日本でも有数のノリ生産地だ。大川市・柳川市・みやま市・大牟田市の4市が面している有明海福岡県海域は、国内屈指のノリ養殖が盛んな海。その広さは約171平方km(福岡市の約半分)。年間生産数約13億枚、売上高約150億円と、県内の漁業生産額の半分以上を占めている。

 

ノリ養殖解禁の前日に行われる殻入れ作業

 

11月下旬頃からノリの収穫作業が始まる

 

そんな有明海で生産される『福岡有明のり』の特長について、福岡有明海漁業協同組合連合会の西田裕一さんは「柔らかく、口溶けが良いおいしさ。食べるとパリッと歯切れよく、口の中ですっと溶けるから、風味やおいしさを感じやすいんです」と教えてくれた。

有明海では、最大6mの干満差をいかした『支柱式』という方法でノリを養殖している。『支柱式』は、海に立てた柱にノリ網を張って高さを固定。潮が満ちるとノリ網は海中に浸かり、潮が引くと海面が下がるので網は空気中に晒される。これを『干出(かんしゅつ)』という。有明海のノリは河川から海に流れ出る豊富な栄養を得ながら成長する。干出は海中の病害からノリを守るために行なうものだが、常に海の中で育てるよりも、ゆっくり成長するので、その結果、細胞壁が薄く柔らかなノリができるという。

 

右の牡蠣殻には『糸状体』が付着してゆっくり生長している斑点模様が見える

 

福岡県水産海洋技術センター有明海研究所で、ノリの種『糸状体』を見せてくれた西田裕一さん

 

ノリの養殖が始まるのは、毎年10月中旬〜下旬頃。それまでは『糸状体(しじょうたい)』と呼ばれるノリの種を培養する。牡蠣殻に付着した糸状体は殻の中に潜り込み、殻は徐々に糸状体で覆われ、真っ白だった殻も真っ黒になってしまう。

ノリ養殖の解禁前日。培養した牡蠣殻をノリ網にくくりつける『殻入れ』作業が一家総出で行なわれる。そんな風景を町のあちらこちらで見られるのもノリの産地ならではの風物詩。

 

潮が引いてノリ網が海上に出る『干出』の様子。ノリの病害を防ぎ、口溶けの良い ノリに仕上がる

 

福岡県は全国トップクラスのノリ生産地であることをもっと県民の皆さんに知って欲しいと西田さんは願っている。