生産者を訪ねて
新鮮な福岡の魚をさらにおいしく!魚の旨さを知り尽くした水産のプロたちの加工現場をレポート
ー第2回ー
【関門海峡たこ】平松漁港/株式会社 叶(かなえ)
海峡で鍛えた足と絶妙な茹で加減が
『関門海峡たこ』のおいしさの秘訣!
真夏の関門海峡にマダコの季節がやってきました。関門海峡に生息するマダコは海峡の激しい潮流の中で鍛えられた太くて力強い足が特徴です。肉厚で引き締まった足、しっかりとした食感で歯切れもよく、足の先までびっしり並んだ吸盤もコリコリ、プリプリ♪ 噛めば噛むほど濃厚な旨味がどんどん湧き出てくる……今や『関門海峡たこ』のブランド名は全国に知れ渡り、北九州の料理人たちも「一度食べたら他所のタコは食べられない」と口をそろえるほどです。
『関門海峡たこ』は北九州市の〈関門海峡たこ協議会〉に属する漁師が、関門海峡で漁獲した500g 以上のマダコとその加工品に名付けられるブランド名称です。
協議会は資源保護活動にも積極的に取り組み『関門海峡たこ』を大切にしています。
今回は、北九州市小倉北区の平松漁港を拠点に『関門海峡たこ』をはじめ様々な関門の幸を漁獲する漁師・藤島賢太さんと兄の将太さんを訪ねました。
『関門海峡たこ』の漁は9 月の産卵時期を控えた7~8月に最盛期を迎えます。
漁では400m の縄に50 個のタコ壺を付けて海底に沈め、壺の中に入ったタコを船に引き上げて捕獲します。とくに『関門海峡たこ』は「立って歩く」と言われるほど動きが素早くて元気がいいとか。獲ったばかりの『関門海峡たこ』は早々に加工場へと運ばれ、新鮮なうちに茹でダコに加工します。
『関門海峡たこ』の加工は賢太さんの妻・ナルミさんが担当します。作業の工程は、タコの内臓を取る→塩もみでヌメリをとる→大釡で茹でる̶̶というのが大筋の流れですが、重要なのはその茹で加減。硬過ぎず、柔過ぎず、絶妙な半ナマ状態に茹で上げるのが大事だと言います。
途中、吸盤に付着した汚れを取るなど、非常に細かい手作業を行なっていました。
こうした手間暇かかる仕事こそ、『関門海峡たこ』のおいしさに反映される大事な部分なのだと感じました。
作業場は古い民家を改造。外から見てもまさかここが水産加工場とはわからない場所です。しかし中はとても清潔で隅々まで綺麗で衛生的!藤島さんの『関門海峡たこ』は学校給食にも採用されているんだそうです。こんなおいしいタコを給食でいただけるなんて、北九州市の子どもたちがうらやましい!
藤島さんのタコは、平松漁港で毎週日曜に開催される『平松とれとれ朝市』や、『漁師直営 魚屋 海月(くらげ)』で購入できます。
漁師直営 魚屋 海月(くらげ)
[住所]北九州市戸畑区旭町4-19
[電話]080-5804-3090
[営業]10:00 ~ 18:00
[定休]不定
平松とれとれ朝市
[開催]4~12月の毎週日曜朝7時スタート
[住所]北九州市小倉北区西港町船溜り
[電話]093-571-0265(北九州市漁協平松支所)