ふくおかの水産加工場を訪ねて
魚の旨さを知り尽くした水産のプロたちの加工現場をリポート!
ー第6回ー ひもの大嶋屋
昔ながらの天日干し。
手間をかけた分だけ旨味も濃厚!
『干物』とは、太陽の日差しに晒すことにより腐敗の原因となる水分を蒸発させ、食材の保存性を高めるために古くから用いられる手法です。水分が抜けることによって魚の旨味が凝縮され、味はよりいっそう濃厚に。焼けば芳ばしい香りに食欲が刺激され、身はジューシーでふっくら、ごはんにもお酒にもよく合います。
今回は、そんな干物を作り続けて60 年という福岡県大牟田市の『大嶋屋』を訪問。添加物を一切使わず、今では珍し
くなった昔ながらの「天日干し」にこだわる加工現場を見せていただきました。
「天日干し」は、太陽光を利用しているので作業は天候に左右されます。だから今日では乾燥機を使った干物づくりがスタンダードとなっています。しかしそれでも『大嶋屋』さんが天日干しにこだわるのは「やっぱり、おいしさを一番に考えているから…」と社長の大嶋昭夫さん。
「魚を天日網に一枚一枚並べ、太陽の照り具合や気温、湿度を見極めながらゆっくりじっくり干していきます。常に天気を気にしなければならず、手間はかかりますが、やはりこの方法が一番おいしいと思います」。
職人たちが一匹一匹、丁寧に包丁で捌いて手開きした魚は、綺麗に水洗いして、別府から取り寄せた塩を使った塩水に漬け込まれます。みりん干しの場合は、醬油、三温糖、黒砂糖、赤酒などで作る秘伝のタレに漬け込まれます。安心の無添加・無着色です。
●ひもの大嶋屋
[住所]大牟田市草木1122-1-5
[電話]0944-54-6665
[営業時間]9:00~18:00
[定休日]水・日曜