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鐘崎に天然とらふく揚がる

響灘と玄界灘を分かつ鐘ノ岬のすぐそばから「鐘崎ふく延縄船団」が出航する。
向かうは最長片道6時間、大島近海から対馬北東海域まで。狙うは玄界灘、対馬海流にもまれ育った天然トラフグ。

船団長の松本久人さん

船団長の松本久人さん

 

香り・旨味・締り・歯応え良しの最高級トラフグが今年も鐘崎に揚がる。

福岡県最大の漁獲量を誇る宗像市の鐘崎漁港。
福岡が誇る高級ブランド魚「鐘崎天然とらふく」を漁獲する「鐘崎ふく延縄船団」の本拠地だ。
船団の船は16~19トン級の大型船団で現在28隻。船団超の松本久人さんは「昔に比べれば減りましたが、
今でもこれほどの規模の船団はそうそうないのでは・・・」という。
トラフグといえば下関のイメージが強いが、福岡県の天然トラフグのほとんどは鐘崎で漁獲され、
福岡県でトラフグといえば、ここ鐘崎なのである。



鐘崎にとってトラフグは大きな恵み。この資源を次世代につなげたいと松本さん

漁では「浮き延縄」という、浮で支えた幹縄からたくさんの枝針を垂らして魚を獲る。
松本さんは1000本以上の針を投下する。1日に160匹釣れたこともあったとか。
でも豊漁になると魚の価格が下がるので、市場に出すタイミングもむずかしいという。



幹縄の両端の目印になる旗付きの「タンポ(浮標)」と、中間を支える「小タンポ」


「鐘崎天然とらふく」は約8割を下関南風泊市場に出荷し、そこから大阪や東京の高級料理店へ送られるが、
その一方で、鐘崎から身欠き(みがき)処理を行ったフグを銀座や赤坂の料理店へ送っているのが、「宗像漁協 鐘の岬活魚センター」だ。
ここではトラフグをはじめ、鐘崎の漁師から直接仕入れた魚介を料理店などに送る為の処理から、一般向け販売まで行っている。
センター長の田村正和さんは福岡県から免許を受けた「ふぐ処理師」だ。
「ふぐには種類によってさまざまな部位に毒があり、経験と知識を持った専門の処理師によって、食べてはならない部分を取り除くことを『身欠き』といいます。」と田村さん
大きなトラフグを目にもとまらぬ速さでどんどん捌いていく。



「鐘の岬活魚センター」の田村正和さん(左)と竹浦誠さん


活魚センター内ではガラス張りの部屋の中で行われる神業の身欠きテクニックを目の当たりにできる


トラフグ資源w守る為、12月は30cm以上、1月からは35cmを超えないという漁の自主ルールがある。
2月~3月になればサイズも大きくトラフグ量もピークを迎える

この機会にぜひ、まだ知らない方にも「鐘崎天然トラフグ」を味わってほしい。